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一緒に「発作ゼロ」を目指しましょう 〜Vol.2〜

てんかん みんなのお役立ち

高校生、大学生になったら本人が受診を

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 患者さんが小さいうちは、薬の服用回数は極力少ないほうがいいでしょう。できれば就寝前1回が望ましいと思います。親御さんの管理下での服薬になりますから、何よりも間違いが起こることがなく安心です。小学生くらいのお子さんの場合、学校に薬を持っていってクラスメイトにからかわれるといったトラブルを避けられるので、日常生活への影響を最小限にする意味でも1日1回の処方が望ましいと思います。

最近では便利な服薬サポートのアプリがあり、活用することで正確な服薬管理が可能です。発作時の記録も残せます。高校生くらいになると自己管理ができるようになりますので、アプリの日記機能を使えば、さらに病気や治療に対する自覚が深まるでしょう。

 一番難しいのは、中学生くらいの患者さんです。保護者の目が次第に離れつつある時期ですが、まだ自己管理は十分にできていない場合がしばしばあります。親への反抗心から飲んだふりをして薬を捨てることもあります。そんな場合は、薬物血中濃度により怠薬の有無を確認することも重要です。それにより、服薬を徹底させるだけでなく、服用回数や時間を患者さん自身の都合に合わせることも考慮します。

 中学生以上の患者さんには、本人が主体的に受診することを勧めています。親御さんは、それまでお子さんの代わりに医療者とやり取りをしてきているので、突然蚊帳の外に置かれたような気持ちになるようです。それまでの親御さんの役割が極めて大切なことは言うまでもありませんが、患者さんの主体的な受診はトランジション(小児科から成人科への移行)を成功させるために必要なステップだと考えています。

 トランジションは、成人になると小児科では扱わない病気を発症する場合があることや成長した患者さん自身が小児科の外来には来づらくなることからも、積極的に進める必要があるでしょう。