epiサポ てんかんといっしょに暮らす

みんなのお役立ち

てんかんに関する様々な情報をお届けします。

一緒に「発作ゼロ」を目指しましょう 〜Vol.1〜

てんかん みんなのお役立ち

てんかん治療における「前向き」の意味

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 患者さんやその親御さんからの質問で一番多いのは、やはり「治るか、治らないか」ということです。成人のてんかんの場合、 なかなか「治る」とは言い切れません。しかし、小児の場合、一部の難治性のものを除いて適正な薬物治療で症状を抑えることができます。また、薬物治療をしっかりと継続していけば症状を消失させることも可能です。

 ただ、服薬を長期間継続することは簡単なことではありません。てんかんの薬は、服用することで「何ともない状態」「普通に生活できる状態」を維持する薬です。普段症状がなければ病気の存在を忘れてしまうため、特にお子さんは、「何のために薬を飲んでいるのか」がわからなくなってしまいがちです。

 てんかんのお子さんは、「プールに入ってはいけない」「剣道や柔道はしてはいけない」「宿泊体験には親同伴で」とさまざまな制限を課されることがあります。しかし、薬を飲むことにより普通のお子さんと同じように生活を送れるのですから、特別な制限の必要はありません。そのことを学校の先生や周りの大人の方に理解してもらうことが大切ですし、何よりも患者さん本人が「面倒だけど、薬をしっかりと飲んでいれば普通の子と同じ」と理解していることが大切です。普通の生活を送るために薬を飲み続けることこそ、てんかん治療に対して「前向き」であることを意味します。

 親御さんにも覚悟を持って治療と向き合ってもらうために、説明には十分に時間をかけています。まず副作用についてくわしく説明し、次に適正な血中濃度を維持することで発作が抑えられ、普通の生活を送れることを伝えます。あえてデメリットから話すのは副作用を見逃さないためであり、「デメリットがあったとしても、やらなければいけない治療であること」を認識してもらうためでもあります。