みんなのお役立ち
てんかんに関する様々な情報をお届けします。
自分と、家族と、周りと支え合う
知ってもらうことが理解の早道
私にとって、家族はもちろんですが、同じ親である仲間の存在は心の支えになっています。そのつながりがなくなることは考えられません。
息子がてんかんを発症した当時は、まだ医療専門職の中でも子どもの高次脳機能障害に対する理解は不十分でした。どこにも相談できず一人悩んでいましたが、インターネットでてんかん協会を知り、同じ高次脳機能障害の子どもを持つ仲間に出会えたことが救いになりました。
私はいま、高次脳機能障害の子どもの家族会も運営しています。家族の情報交換や交流を行う会ですが、専門職の支援を受けてさまざまな啓発活動にも取り組んでいます。自分と同じような境遇のお母さんたちとつながれたことは大きいし、この家族会があったからこそいまの自分があります。
てんかんの子どものお母さんたちが交流会にアクセスするまでに、長い時間がかかっていることが気がかりです。若いお母さんたちには、「つながるということをあきらめないで」と伝えたいです。医療専門職の先生たちには、お母さんたちに家族会の情報を伝えるなどして、つながりをつくるための支援していただきたいと切にお願いいたします。私はてんかん協会の東京都支部の世話人もしているので、そこでも母親同士のつながりがあります。子ども以外のことではつながりがない関係なので、逆にすごく深い話ができます。ご近所のお母さんと同じ内容をお話しするのは難しいと思います。
交流会の中で、学校など子どもに関わる方々とのてんかんに関する知識にギャップがあることを悩んでいるという話を聞きます。てんかんには発達障害と比べるとネガティブなイメージがあります。発達障害は、これだけ知られるようになり、お母さんたちの中の拒否感も減ってきていると思います。人は知ることで不安や怖れがなくなります。てんかんも、知っていただくことが理解への早道だと思っています。
インタビュー実施日:2019年2月15日
場所:福祉財団ビル 中会議室
患者さんの許可を得て掲載しております。