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みんなのお役立ち

てんかんに関する様々な情報をお届けします。

てんかんを知り、支える 〜Vol.3〜

てんかん みんなのお役立ち

周囲の理解を得るための努力は必要

てんかん みんなのお役立ち

 一番悩んでいるのは、息子の仕事のことです。昨年、静岡の就労施設に行きましたが合わなくて戻ってきて、いまは東京で探しています。

 順番からいうと先に逝くのは私や妻だと思うので、後に残る息子の将来が心配です。うちは娘がいるので、いろいろと気にかけてはくれると思いますが、彼女にすべてを背負わせるのもかわいそうです。ある程度は息子が自立して生きていってくれるのが望ましいと思っていますし、彼自身も就職したいだろうと思います。そのために動いてはいるのですが、現実は難しいというのが実感です。

 世間のてんかんに対する認識は「よくわからない」というのが正直なところだと思います。一口にてんかんといっても、症状はそれぞれ違います。そのこともわかりにくさの原因になっていると思います。

 うちの息子がどこか外で発作を起こしたとします。その場にいる人は、おそらく「何だかわからないけど、倒れて痙攣しているから救急車を呼ぼう」ということになると思います。息子は緊急カードをいつも持っています。カードの裏には、「あわてて救急車を呼ぶ必要はない」といったことも書いてありますが、よくわからなければ書いてある親の携帯番号に電話してもらうだけでもいいのです。せめて、「頭をぶつけてケガしないようにして、少し様子を見ていれば元に戻るはず」くらいの基本的な知識は多くの人に知っていてほしい。救急隊員にてんかんに関する知識がなく、望まない搬送で問題になるケースもあるようです。

 ただ病気はてんかんだけではないので、そこまで求めるのは難しいだろうとも思います。てんかんの人とふだん接しているような人であっても、発作のときに適切に対応するのは簡単なことではないと思います。

 息子が高校のとき、病気のこと知ってもらうためにてんかんのパンフレットを学校で配ったことがあります。そうやって周囲に理解してもらうための努力も必要だと感じています。

インタビュー実施日:2019年2月15日
場所:福祉財団ビル 中会議室
患者さんの許可を得て掲載しております。