みんなのお役立ち
てんかんに関する様々な情報をお届けします。
てんかんを知り、支える 〜Vol.1〜
サポートがあればできることが多くなる
息子は、12歳のときにかかった急性脳炎が原因でてんかんを発症しました。急性脳炎にかかってから痙攣が起こることが多かったので、てんかんの診断を受けたときも特に驚きはなく、「薬で何とかなるのかな」くらいに思っていました。しかし、それから10年近くが経っても発作をなかなか抑えられず、とてもくやしい思いがあります。
中高一貫校に入り、中学部の3年間はいろいろと便宜を図ってもらって何とか終えることができました。しかし高校部のほうは、通常の学生生活が難しいという判断になり、科目ごとに通信・通学を選択できる別の高校に入って4年かけて卒業しました。
当初は高次脳機能障害のほうを心配していたので、少しでもそのためのリハビリを受けさせたいと考えていました。しかし、いまは月4、5回起こるてんかんの大きな発作が日常生活の障害になっています。発作は1日に数回起こることもあります。
てんかんの人の生活を支えるために、外出時の行き帰りのサポートを支援するような仕組みがあればとても助かると思います。学校のときも、何とか授業は受けられる状態でも、行き帰りがハードルになって休ませることがありました。高校は自宅から遠く、電車を2回乗り換えて1時間ほどかけて通うところにありました。息子の体調には波があって、発作がなければ自分一人でも大丈夫です。しかし、発作があれば事故につながりかねません。実際、一人で通学したときに途中で発作が起きて倒れ、メガネが割れてしまい眼の近くを縫うケガをしたことがありました。それからは調子が悪いときは妻が車で送り迎えしていました。
ほかにも困る場面はいろいろあります。たとえば、本人が「プールに行きたい」と言っても母親は更衣室までは入れません。平日は私も連れていけないので、そんなときのサポートがあれば助かると思います。
私が仕事に行くと、妻は息子と一日中一緒にいなければなりません。息子も本当はそれを望んではいないと思います。自分一人でいろいろやりたくても母親がそばにいないといけないというのは、どちらにとっても精神的に良くないと思います。
てんかんは体調の落差があり、症状が一定ではありません。それが支援の難しさにつながっていると思います。
インタビュー実施日:2019年2月15日
場所:福祉財団ビル 中会議室
患者さんの許可を得て掲載しております。