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てんかんに関する様々な情報をお届けします。
てんかんと向き合う 〜Vol.3〜
てんかん協会と出会って話せる場をもてた
大学卒業後に就職した会社では、最初のうち、てんかんのことは話していませんでした。しかし、当時は発作がひどかったので、ごまかしきれず、あるとき上司に伝えました。たまたま会社に理解があり、「発作があったら15分くらい休んできていいから」と言っていただけて、その後も勤めつづけることができました。
現在は週に数日アルバイトをしています。最初の勤め先以外は病気のことは伝えてきませんでした。発作はさまざまな場所で起こります。勤務中に発作が起こって意識が戻ると、「ここはどこ?」というところから始まります。机に座っているときであれば、その姿勢のまま周りの様子をうかがい、少しずつ意識が戻ってくるのを待ちます。友人たちといるときに発作が起こると、意識が戻ってから話を合わせるのに必死です。外で発作を起こしたとき、一人なら喫茶店などにかけ込んで薬を飲んで寝ることもできますが、人と一緒のときはそうはいきません。1日4回薬を飲むときは、お手洗いなどで飲むようにしています。人前で飲むと説明がたいへんなので、いつの間にか習慣になってしまいました。
てんかん協会の存在は、インターネットで知りました。交流会をやっていると書いてあったのをみて参加したのですが、男性がいると話しにくいこともあり、言いたいことが言えませんでした。
そこで、「女性の患者さんや、その母親だけの会を」と協会に相談し、つくっていただきました。そこでは、女性同士で薬の話や先生の対応などについて思ったことを言い合えるので励みになっています。
今は協会の業務をお手伝いしながら、啓発活動を行っています。私は、協会に出会って自分の病気のことを話せる場をもてました。交流会で会ったなかにも同じことを言う人がたくさんいました。ここに来るまでは一人ぼっちでした。自分と同じような症状の人に会って話を聞いてみたいと思っても、個人でできることには限界があります。協会でてんかんをもっている人たちと出会って話をして互いのことをわかり合えました。それが、自分にとっての大きな力になったと感じています。
インタビュー実施日:2019年2月15日
場所:福祉財団ビル 中会議室
患者さんの許可を得て掲載しております。